生活するにゃあ金がいる!

そろそろ休憩時間も終わりかと思って時計を見てみる。
・・・思ったとおりPM5時頃だ。
「さーて、そろそろ客が来るころね・・・。もうひとがんばりしますか!」
と気合を入れて厨房に入っていく。すると店長と目が合う。
「おう!しっかり頼むぜ!」
・・・なんか暑苦しいのよね・・・・。いい人ってことは間違いないと思うけど。
そんなことを考え、しかし表情には全く出さず、挨拶を返す。
「はい。任せてください。そのかわり、バイト料弾んでくださいよ〜」
「応!任せとけ!」
あー、乗せやすくて助かるわ。それとも、ちょっと知能が低いのかしら?
店長に言ったらバイト首になりそうなことを考えつつ、ポジションにつく。
「さぁ!客が来たぞ!料理の準備急げ〜!」
店長が声を張り上げると、厨房にいる人が大声で応える。
あー、なんでもいいけどもう少し声をセーブできないもんかなぁ・・・。
軽い耳鳴りを感じながら仕事に取り掛かる。・・・まぁ、実際はまだ洗うお皿がないんだけどさ。雰囲気的にはもう仕事が始まってるってことでオッケー!
そんな一人ツッコミをしてる間にもう仕事が来た。・・・今度はほんとだってば。
それからしばらくは黙々とお皿を洗い続けた。さすがプロと言うべきか、店長その他従業員も私語は慎んでいる。
 
その後・・・
 
なんとかPM10時を迎え、今月のバイトは終了。
「ふぁぁぁ・・・早く寝たいなぁ」
独り言をこぼしながらただいまの住居(まぁつたないテントだけどさ)に向かう。
少しでも早く宝探しに行きたいので、宿代も節約しているのだ(我ながら健気っ)
そしてテントに入り、寝袋にもぐりこむ。
「この町では情報はないみたいね・・・。そろそろ次の街に行きますか」
地図を引っ張り出し、次の目的地を決めることにする。
「えーと・・・ここからだと・・・うん、バネスがいいかな」
次の目的地はこの町より少し大きいバネスに。
「よし。バイトも一段落したし、明日早速出発よ!」
明日に備え、もう寝ることにする。・・・さすがに疲れたしね。
目を閉じるとすぐ心地よい眠りに誘われる。
          ―新しい旅が始まりを迎える―